環境/現地調査
実際に現地へ行って学ぶことは、多くの情報そしてすばらしいインスピレーションを得る事ができます。環境計測や現地調査をしっかり行っています。
黄砂現象
黄砂は、自然現象として昔から起きている現象であるが、近年その頻度や飛来量が増加している。黄砂飛来時と思われる日に、目、鼻、のど、肌、呼吸器などに自覚症状を訴える人が多くなった。その症状は軽症なものから重症なものまで個人差があり、黄砂飛来時にはアレルギー様症状や現症の悪化による医療機関の受診者も増加している。
黄砂飛来時には、黄砂(砂由来成分)、大気汚染物質、生物由来成分が同時、あるいは付着して飛来して来ている事が指摘されている。
モンゴルでの調査
鳥取大学乾燥地研究センターを中心に我々は、黄砂発生源の乾燥地・半乾燥地地域へ行き大規模な調査を実施しています。
現地に行って発生源のデータを予報に役立てることを目指しています。
サンプルの採取・データ収集・分析
鳥取大学医学部では、毎日の大気汚染物質の採取を行って成分分析を行いその日何が飛来して来ていたのかを把握して解析をする事につとめています。
成分分析/花粉
国家検定に準じた採取および方法で分析を行っています。
どんな成分が検出されるのか
- 重金属類
- PAHs類
- イオン類
- ガス類
- 生物由来成分
・DNA・微生物(生死菌を区別してカウントを行っています)・花粉
サイズごとの黄砂、花粉との比較
通常日と黄砂日の違い
現象の予測
気象庁・国立環境研究所のモデルの予測と現地での観測データ、NASAの衛星写真を加味して、独自の予測を構築します。
MASINGAR
大気汚染物質PM2.5とは
最近、PM2.5は、大気汚染物質全体を示しているような使い方が目立ちますが、PM2.5は、特定の物質を指す名称ではなく、大きさが2.5㎛以下の微小粒子を言います。
あくまで粒子の大きさで分類した指標で、成分を特定した表現ではありません。
その中の成分として、鉱物粒子(砂)やほこり、化石燃料の燃焼で生成される微小粒子、工場から排出される汚染物質のうち、小さいものをPM2.5といいます。PM2.5値は色々な粒子成分のうち、小さいものの総合値です。越境してきた粒子成分、地元由来の成分、自然起源の成分、黄砂成分などの和です。つまり大陸から飛来した汚染物質の値=PM2.5値ではありません。しかしながら、平常時との比較によりPM2.5値が増えた原因として、越境成分が増えたと疑うことはできるので、評価方法が重要です。
人へ健康影響を及ぼすものは2.5マイクロメートル以下の粒子だけではありません。少し前まではSPM,PM10で環境評価がされていました。
PM2.5は捕集効率50%の分粒装置で、測定器の性能で定義された表現です。
観測技術の進歩で、さらに小さいPM0.5、PM0.1をうまく分粒捕集できるようになり、さらにその粒子の大きさが問題視されるようになると次は、PM0.5、PM0.1という言葉が出てくることが容易に想定されます。もっとも、PM0.5、PM0.1も定義上ではPM2.5に含まれていることになります。
*PM2.5 大気浮遊粒子状物質のうちおおむね粒子径2.5マイクロメートル以下の粒子(粒子状物質PM : particulate matter)
環境基準値とは
35マイクログラムパー立方メートル以下(2007年米国で設定、2009年日本で設定)
目標値 25マイクログラムパー立方メートル以下(2008年WHOで設定)
*環境基準値は、人体への慢性影響を加味して設定されていますが、人体への短期影響がまったくないと確認された値ではありません。 基準値にかかわらず、気になる方は次の予防措置をお勧めします。
〜足尾銅山鉱毒事件〜
日本初の公害事件と言われる、「足尾銅山鉱毒事件」。鉱毒とは何なのか、鉱毒ガスとは何なのか、探るために探検してきました!
昔は、銅山特有の何かとても危険な成分が出ていたのではと思われるかもしれないが、結論として精錬時の「亜硫酸ガス」がメインだったよう。つまり今も大気汚染問題になっている地元由来と越境(大陸)由来の「二酸化硫黄」のこと。(二酸化硫黄→別名:亜硫酸ガス)ちなみに「足尾銅山鉱毒事件」の被害を受けた渡良瀬川流域や松木村は、廃鉱後に緑化対策が取られ、今では猿や鹿が楽しく過ごしていました。当時、田中正造は天皇にも直訴しているが、村を捨てる決断に。2014年5月21日に、天皇、皇后両陛下が、鉱毒で破壊された自然が回復した様子を見たいという希望の私的な旅行で来られていました。
「寛永通宝」で知られる通貨をはじめ、日本の経済発展を担っていた銅山。
世界遺産石見銀山や佐渡金山などでも同じことはあったのだろうが、気づいて精力的に動く人がいたのかいなかったのか。。いずれにしても、今も変わらず言いなりに従うのみ。濃度の違いはあるものの、生活の質を求める現代では、局所的な問題ではなくなっている。
〜環境データ取得〜
IMASORAでは、今の空の様子を撮影いただくことで、かすみ具合の推移の研究に役立てられます。様々な環境/気候データはありますが、その場で実際に見て行う観測が一番確実なのです。