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コラム

第2回 エコチル調査が秘めている可能性

エコチル調査鳥取ユニットセンターでは、3000人を超える方にご参加いただくことができました。皆様のご理解、ご協力に感謝申し上げます。エコチルふれあいミーティングでは、お母さんの年齢が高くなると離乳食の開始時期が遅くなる傾向について話をさせていただきました。この背景の一つに一昔前は、早く食べさせるとアレルギーになるという説が流れ、遅らせる傾向がありました。しかし、遅らせてもアレルギーは減りませんでした。最近では早く始めた方がアレルギーになりにくいという統計結果が発表され、早いほうがよいと言われています。ところが、早いほうがいいという結果も少なく、少人数で実施された結果で説が流れています。このように時代ごとの情報に左右されていることがうかがわれます。皆様が子供の時はどちらだったでしょうか。離乳食はいつ始めたらいいのかまだはっきりした結論は出ていなくてわからないのが現状です。

このような周りの情報によって判断し行動することは民間療法、民間医療(代替医療)と言われています。通常、医師が医療施設において施行・指導する医療以外の医療のことで、その多くのものは、その有効性や危険性が科学的には検証されていないものと考えられています。健康雑誌やインターネット上には多数の代替医療に関連した宣伝記事や情報があふれています。

一方で、アレルギーは難治性であり、かつ長期間にわたって服用する通常の治療薬の副作用に対する不安などがあるのも事実です。医師による治療に対しての効果が不十分な患者さんにとっては、何を頼ればいいのかわからないという現状に直面しています。かすかでも希望があればと民間医療にかける期待は強くなります。民間療法の問題点は、科学的評価についてほとんど行われていないことですが、薬草や成分などの危険性や副作用の情報が十分に得られていないことも多くあるようです。最終的な情報の理解の仕方は、個人の知識や判断・信奉にゆだねられてしまっています。

エコチル調査では、このような多くのまだわかっていない事象について科学的に証明していきます。民間療法は効果的なのか、今は答えようのない事象にエコチル調査が科学的に決着をつける可能性があります。

きちんとした科学的評価が患者さんの選択や理解を助けることや安心につながります。そのためにも皆様の継続参加を願ってやみません。

(2014.12.29)